理学療法士の給料はなぜ上がらないのか、現場から見た構造
理学療法士の給与構造について考える
このテーマ、実は前にも似たようなことを書いたことがあるのですが、改めて整理しておきたいと思います。理学療法士の給料が上がりにくいのは、本人の頑張り以前に、構造上そうなっているというのが私の考えです。
医師と理学療法士では、報酬のつき方がまったく違う
医師の場合、診察・治療・処方のそれぞれに点数がつきます。腕によって一つひとつのフェーズにかかる時間は変わってきますが、総じて数十分のうちに数万円を稼げる構造になっています。
一方、理学療法士の報酬は「1単位20分」という縛りが基本です。必ず20分は拘束されますし、しかもこの20分という単位は、経験年数や技術に関係なく、誰がやっても一律の価格で報酬が支払われます。となると、1日で稼げる報酬額には、そもそも上限が生まれます。理学療法士の中で給料が高い人がいたとしても、それは他部門が稼いだ利益の「おさがり」をもらっている構造だと理解しています。
希少性もなく、政治力もない
残念な話ですが、これはある意味仕方のないことだと私は思っています。この資格は、医師ほど価値が高いわけでも、看護師ほど現場での重要性が高いわけでもありません。診療報酬改定のたびに、金額はじわじわと削られていく傾向にあります。
それなのに、理学療法士の数は年々増え続けていて、止まる気配がありません。つまり、希少性もなければ、業界内で資格そのものに強い価値があるわけでもない。政治力のなさも一因かもしれませんが、いずれにしても、医療業界の中でのポジションはなかなか上がっていかないというのが実情でしょう。
「PTの価値を上げる」ではなく「PTを持つ希少な人になる」
こうなると、行き着く結論はシンプルです。業界の中でもがきながら価値を上げていくか、業界の外でしか身につかないスキルを磨くか。いずれにしても、理学療法士という資格を持ちながら、それ以外の部分で希少性のある人物になるしかない。そう考えています。
私自身、そういう狙いを持って医療職を離れたわけではありません。ただ、PTの資格を持ち、現場経験もある人間が、畑違いの一般企業で役職まで就けたということ自体には、それなりの希少性があるんじゃないかと感じることがあります。
理学療法士としての収入が伸びにくいのは、診療報酬という構造の問題で、正直どうにもできません。それを打開するには、PTという職業全体の希少性を上げるのを待つのではなく、PTという資格を持った自分自身が、何らかの形で希少な存在になることの方が、近道なんじゃないかと思っています。
給料に天井があるなら、別のレバーを持っておく
ただ、希少な人材になるための道のりは、簡単でも短くもありません。だからこそ、給料という一つの軸だけに頼らず、資産形成というもう一つのレバーを早めに持っておくことには意味があると私は考えています。給料の天井は自分だけの力ではどうにもできませんが、収入の一部を資産に変えていくことは、今日からでも始められることですから。


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