積立投資、やめたくなった時期が一番きつかった
投資はつらいよね
「積立投資は、増えている実感がわきにくい最初の数年が一番つらい」
よく言われる話です。積立額が小さいうちは、増えても減っても誤差レベルの金額にしか見えないので、モチベーションを保ちにくい、という理屈らしいです。分かる気はします。でも、自分の場合はちょっと違いました。
一番きつかったのは、始めたばかりの頃じゃなかったんです。ある程度資産が育ってからでした。
最初は、そもそも興味がなかった
積立を始めたのは2022年1月です。当時は月15万円近く積み立てていましたが、正直、増えてるかどうかなんてほとんど気にしていませんでした。積立投資の効果をちゃんと調べたわけでもなく、「とにかく積み立てることが大事らしい」というくらいの理解で、淡々とお金を回していただけです。証券口座を開くのも月1回あるかないか。日々の値動きを追う、という発想自体がありませんでした。
これ、今にして思えばかなり良かったんじゃないかと思っています。毎日数字をチェックして一喜一憂していたら、たぶんどこかで心が折れていた気がします。興味がなかったから、余計な感情に振り回されずに済んだ。
「投資は最初が一番きつい」とよく言われますが、少なくとも自分の場合、最初がきつくなかった理由は「頑張って耐えたから」じゃなくて「そもそも見ていなかったから」です。これはこれで、悪くない戦略だったなと思います。
本当にきつかったのは、資産が育ってからだった
2025年2月頃、いわゆるトランプ関税ショックのタイミングです。それまで数年かけて積み上げてきた含み益が、毎日みるみる減っていきました。多い日は1日で10万円規模で資産が減っていく感じで、最終的には含み益の7割近くが吹き飛んだと思います。含み損には転落しませんでしたが、「これだけ育てたものが、こんなに早く消えていくのか」という感覚は正直かなりこたえました。
投資額が少なかった頃は無関心でいられたのに、金額が大きくなってからの方がダメージがでかい。皮肉なものです。1日10万円って、パートやアルバイトなら何日分もの稼ぎです。それが自分では何も操作していないのに、画面を開くたびに消えていく。これは経験してみないと分からない感覚だと思います。
含み損まではいかなかったとはいえ、当時は「このままゼロに近づいていくんじゃ」という漠然とした不安がありました。冷静に考えれば元本が吹き飛んでいるわけじゃなく、それまでの上昇分が減っているだけなんですが、渦中にいるとそう単純には割り切れないんですよね。
とにかく見ないようにした
やったことはシンプルです。証券口座の画面も、マネーフォワードも、数ヶ月単位でほぼ見ないようにしました。
売ろうとは一度も思いませんでしたが、「見て、また減ってることを確認して、落ち込む」というサイクルに入るのは目に見えていたので、いっそ情報を遮断することにしたんです。アプリの通知は切って、証券口座のアプリもホーム画面の目立たない場所に移動させました。ニュースで「株価急落」みたいな見出しを見ても、あえて中身は追わないようにする。
これが一番効いたメンタル対策だったと思います。見なければ、下がってることに気づきようがない。「気づかなければ辛くもならない」という、身も蓋もない話ですが、実際これでこの時期を乗り切りました。
数ヶ月経って久しぶりに口座を開いたときのことは今でも覚えています。恐る恐る画面を開いたら、思っていたよりずっと数字が戻っていて、拍子抜けしたのを覚えています。あれだけ見るのが怖かった数字が、見ないでいる間に勝手に持ち直していた。この経験があってから、「見ない」への抵抗はさらに薄れました。
正直、なぜ含み損まで落ちなかったのかは、運の要素も大きいと思っています。インデックスと個別株を組み合わせて1つに集中させてなかったこと、下落局面でも積立自体は止めなかったこと(結果的に安いタイミングでも買い続けていたので、平均取得単価が下がっていた)あたりが理由としては挙げられそうですが、どちらも狙ってやったというより、後から理屈が追いついてきた感じです。
なぜ一度も解約や積立ストップを考えなかったか
積立を始めてから今まで、一度も止めたことも、口座を解約しようと思ったこともありません。理由はシンプルで、生活に必要なお金じゃなく、あくまで余剰資金で投資してるという意識が強かったからです。今すぐ現金化しなきゃいけない事情がなければ、含み益が減ってる局面であえて解約する理由もない。生活防衛資金と投資に回すお金をきっちり分けておいたことが、結果的にメンタル面でも効いていたんだと思います。
最近、増えるスピードが明らかに変わってきた
ここ最近、資産が加速度的に増えている感覚があります。500万円増えるまでの期間が、投資を始めた頃と比べて半分以下になってきている感じで、100万円くらいの増減なら今はあっという間です。
資産推移のグラフを見返しても、この感覚は裏付けられます。2022年末から2023年、2024年にかけては、右肩上がりではあるものの傾斜はゆるやか。それが2025年に入ったあたりから、目に見えて角度が変わってくる。同じように淡々と積み立てているだけなのに、グラフに残る軌跡は年々急になっていくんです。
面白いのが、相場が大きく沈んだ直後に、その後の増えるスピードがぐっと加速することです。2024年8月のいわゆる「令和のブラックマンデー」のあとも、2025年のトランプ関税ショックのあとも、そこから明らかに角度が鋭くなりました。深く沈んだ分だけ、大きく跳ね返ってきた。
今となっては、相場が沈むタイミングは「安く仕込めるチャンス」としてありがたく感じられます。渦中にいるときはそんな余裕まったくなかったですが。俯瞰で見返せるようになった今だから言えることで、渦中の人に「今が仕込みどきだよ」と言っても、たぶん響かないだろうなとも思います。それくらい、当時は必死でした。
不思議なもので、あれだけ辛かった下落局面も、今となっては資産推移のグラフの中の、ほんの小さな谷にしか見えません。下落した期間より、その後の回復と成長にかかった期間の方が、結果的にずっと長くて、ずっと大きな存在感を持っている。渦中では、その谷がずっと続くんじゃないかという恐怖があるんですが、後から振り返ると、長い右肩上がりの線の中の一時的な凹みでしかなかった。2022年末の自分に「その凹みは、数年後には見えなくなるくらい小さくなるよ」と教えてあげられたら、と思いますが、教えてもらったところできっと信じきれなかった気もします。

(今の私の資産状況ですが2度ほど沈み込んでからグッと高くジャンプしているのがわかるかと思います※マネフォのスクショになります)
今、もし渦中にいるなら
もし当時の自分に一言かけるなら、「信じて、淡々と積み立て続けること。それだけでいい」と言うと思います。相場が深く沈んだ直後に急回復するのは珍しいことじゃなく、過去100年単位のデータでも長期的にはしっかり結果がついてくることは示されていますし、何より自分の短い経験からも同じことが言えます。
細かい値動きは気にしなくていいと思います。1日1%の値動きなんて日常茶飯事ですが、元手が100万円なら1万円、300万円なら3万円、500万円なら5万円と、同じ1%でも金額のインパクトはまったく違う。種銭が増えるほど、同じパーセンテージでも動く金額は大きくなっていきます。だからこそ、まずは焦らず100万、300万、500万と積み上げていくこと。そこまで来て初めて、「増えてきた」という実感がわいてくるはずです。
もし今まさに、含み益が減っていく画面を見て「やめようかな」と思っている方がいたら、一つだけ。その辛さは、金額が育った証拠でもあります。少額のうちは、そもそもこんなに辛くならないので。無理のない金額で、細かいことを気にしすぎずに続ける。結局、それに尽きるんだと思います。
この記事は私個人の経験であり、将来の運用成果を保証するものではありません。相場の動きや資産の増減は個人の状況によって異なります。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。

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