予備試験の勉強に80万円使って、無駄じゃなかったと思う理由
司法試験に挑戦した話を軽く
学生の頃、真剣に勉強をしたことがほとんどありません。頭が良かったわけでも悪かったわけでもなく、どちらかというと悪い方だったと自分では思っています。そんな私が初めて本気で勉強に打ち込んだのが、この3年半、司法試験予備試験に向けた期間でした。
大人になって、初めて本気で勉強した
科目は憲法、民法、刑法、民訴、刑訴、行政法、会社法など、実質7科目。学生時代にかじった記憶があるのは、せいぜい憲法の一部くらいで、あとは実生活でまず触れることのない法律ばかりです。伊藤塾に通いながら、これを3年半、本気でやりました。
大人になってから何かを本気で学ぶというのは、子どもの頃には得られなかった種類の満足感がありました。同時に、「学生の頃にこれくらい頑張っていれば」という気持ちにもさせられる経験で、正直、複雑な感覚が今も残っています。
知識より、考え方が残った
今はもう、勉強した知識のほとんどは忘れてしまいました。それでも残っているものがあります。
一つは、法律答案の構成です。大前提・小前提・当てはめ・結論、という流れ。事実を把握し、ルールを把握し、事実をルールに当てはめて結論を出す。この型は、実社会でもものすごく使えると思っています。相手に分かりやすく物事を伝えるための、基本的な技術です。
もう一つは、物事の裏側を考えるクセです。法律の条文は、その趣旨、つまり「なぜこの条文が作られたのか」「制定した人は何を意図していたのか」を読み解く必要があります。これを繰り返しているうちに、物事の裏側を考える癖がついたと感じています。ちなみに刑事ドラマや法律ドラマを見ていても、「あ、これ判例百選に載ってたやつだ」と気づける瞬間があって、これも地味に楽しいポイントです。
163点という、今も色褪せない記録
予備試験で163点を取ったことがあります。合格点は165点でした。もう6年前の成績なのに、いまだにこの数字は頭に残っています。
学歴に自信がない私にとって、この点数は「法律知識があった」という客観的な裏付けになります。面接などで自分を説明するためのカードの一枚として、今も変わらず使えていると私は思っています。
今でも思うこと
正直、今でも予備試験の勉強を再開したい気持ちはあります。ただ、やり切れる自信はもうありません。3度受験して、あの壁がどれだけ高いかは十分に分かってしまったので。
どれだけ頑張っても超えられない壁がある、ということを学べたのも、ある意味この経験の収穫だったと私は思っています。そして、自分に与えられた能力の中で、相手を説得できる材料をどれだけ揃えられるか、そのためにどれだけ投資できるか。この感覚は、法律の勉強を通じて身についたものかもしれません。
高い自己投資でした。それでも、やってよかったと今でも思っています。今すぐ結果につながらなくても、時間とお金をかけたものが何年も経ってから効いてくることがある。この感覚は、今こうしてコツコツ資産を積み立てているのと、根っこの部分では同じだと感じています。

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